第1回経営塾「MIURA観光リノベーション」

今回の経営塾は、三浦市観光商工課 課長の小林未央氏をお招きし、第一部の講演では三浦市の観光の現状をお話して頂き、第二部のディスカッションでは、小林氏と参加者とで三浦市の魅力のあるスポットを発掘して、今後の三浦市の観光の可能性を話し合っていただきました。

~第一部「講演」~

三浦市の入込観光客数は、608万人となった平成2年から減少傾向にありましたが、平成13年には「三崎フィッシーャリーナウォーフうらり」がオープン、三浦海岸では、商店街のメンバーが中心となった「三浦海岸桜まつり」をきっかけに、官民連携による観光振興を図り、平成23年の東日本大震災の影響で一時減少はしましたが、平成28年には601万人まで増加したとのことでした。また、平成29年度に実施した観光客のニーズ調査では、三浦市の観光で期待していることは「美味しいものを食べる」が全体の67.8%と半数以上を占め、観光客の訪問動機になっているとのことでした。

三浦市の観光施策では、観光消費額回遊性の向上、新たな価値観の創出について説明がありました。神奈川県より認定を受け実施している「新たな観光の核づくり推進事業」では、城ケ島・三崎を中心に回遊性向上に向けた導線整備が進められており、「城ケ島海上イケス釣堀J’sフィッシング」「うらりマルシェ」を起点として、レンタルサイクルの拡充、渡船の新規整備、そして城ケ島ハイキングコース整備が実施されています。また、レンタルサイクルは、現在、平成29年4月にみうらレンタサイクル運営協議会が発足し「みうらレンタサイクル」として「三崎口」「うらりマルシェ」「城ケ島」の連携により、回遊範囲は三浦市全域に拡大されているとのことでした。また、「三浦海岸桜まつり」「みうら夜市」を例に、新たな価値観を創出するためには、毎年事業に改善を加えながら一定期間継続し社会的に認知を受けることが必要であるとの説明がありました。

観光振興を推進するためには、市は集客や新たな仕掛けを、民間事業者等は観光客に楽しんでいただけるサービスを提供するといった、それぞれの役割分担が重要であり、また、市外の民間事業者とも積極的に連携することにより新規性・話題性の高い取組を進める必要があると纏めました。

~第二部「ディスカッション」~

第二部では青年部のメンバーが司会を務めて、実際に三浦市の大型地図に書き込みを行い、参加者27名(青年部23名・オブザーバー参加4名)と小林氏を交えて、ディスカッション形式で意見交換を行いました。

市内の海岸には江戸城に使用される予定であった城石が流れ着いている所が数カ所存在すること、岬陽小学校の校門にも使用されていることの発言がありました。また大小の灯台が多く存在しており、それぞれ異なる魅力があるといった活発な意見交換が行われました。

ディスカッションをする中で新たな観光の魅力が多く発見されましたが、中には車で行くことが難しい場所もあり、レンタサイクルの利便性を再確認にすることが出来ました。

小林氏は最後の講評として、我々が普段当たり前と思っているものが、市外の方にとっては非日常であり、新たな魅力となる可能性がある。こういった視点で自分の周囲を見直し、観光商品として検討することが必要と纏めました。